各地で桜の便りが聞かれるようになりました。
旧暦では、4月を「卯月(うづき)」といいます。
その理由は、春に空木(うつき)というアジサイ科の落葉低木が、真っ白の小さな花を咲かせるところからきています。。
空木の花が卯の花=おからに似ていることから4月=卯月と呼ばれるようになったという説が有力です。
花見には厄払いの意味がある
桜の花が咲くと、桜の鑑賞をする「花見」をする方も多いと思います。
もともと花見は春の農作業に先立って豊作を祈願して行われていたそうです。
山から神様がくる春に、豊作を願って桜の木の下でお祭りを開くことで厄払いができると考えられてきました。
開花は神様がきた印で、パッと散ると「凶」と言われていました。
また、お花見につきもののお酒は、神様にお供えした酒(御神酒)のお下がりを皆でいただくことからきています。
今ではすっかり、本来の意味が失われた花見ですね(笑)。
縁起物としての桜とは?
桜を使って料理をするときに使われるのが「桜の花の塩漬け」。
八重桜の花を塩漬けにしたものです。
この桜漬けに湯をさしたものが「桜湯」。
婚礼やお見合いの席で使われることが多いです。
「お茶を濁す」というその場だけを取り繕う言葉を嫌い、この桜湯を使うのです。
また湯をさすときに花が開くことから縁起が良い、とも言われています。
このように桜の縁起物がいくつかあります。
桜餅もその一つです。
桜餅には「道明寺」と「長命寺」の2種類があります。
「道明寺」はもち米を蒸して乾燥させ、粗挽きした道明寺粉でつくるお餅です。
「長命寺」は小麦粉などの生地を焼いた皮であんこを巻くものです。
関西は道明寺が多く、関東では長命寺が多いです。
ピンクと緑の色合いと桜の葉の香りが春を感じさせてくれ、心がほかほかしてくるような気がします。
もちろん、桜自体が縁起が良いともいわれます。
合格発表のときには「サクラサク」ともいいますし、何より、春を連想させ芽吹くことから、物事の始まりを表します。
いろいろ思いながら桜を鑑賞してみてはいかがでしょうか?