トカラの法則とは大地震の前触れ?その真偽は?

鹿児島県の種子島の下にあるトカラ列島で群発地震が起きています。

2021年4月に入って今までにない異常な数の地震が起こっていることから、南海トラフ地震の予兆ではともいわれています。

実際のところ、その真偽はどうなのでしょうか?

 

トカラの法則とは?

トカラの法則は大地震の前触れ?

 

トカラの法則とは「鹿児島県南方にあるトカラ列島で群発地震が起こった後、日本に大地震が起こるといわれているものです。

実際に、過去に起こったトカラ列島の群発地震と大地震の関係を見ていきましょう。

 

トカラの法則といわれる地震まとめ

・2000年10月2~7日:トカラ列島の39回の群発地震
→(4日後)2000年10月6日:鳥取県西部地震 M7.3 最大震度6

・2003年8月:トカラ列島の群発地震
→(38日後)2000年10月6日:十勝沖地震 M7.3 最大震度6

・2011年2月2日~11日:トカラ列島の17回の群発地震
→(4日後)2011年3月11日:東日本大震災 M9.0 最大震度7

・2016年4月1日~8日:トカラ列島で7回の群発地震
→(6日後)2016年4月14日:熊本地震 M7.3 最大震度7

・2016年12月:トカラ列島の群発地震
→(20日後)2000年10月6日:茨城県北部地震 M7.3 最大震度6

・2018年6月15日~16日:トカラ列島で4回の群発地震
→(2日後)2018年6月18日:大阪北部地震 M6.1 最大震度6弱

 

こうしてみていくと、トカラの法則ってあながち嘘じゃないという気がしてきませんか?

 

トカラ列島とは?

トカラの法則は大地震の前触れ?

 

トカラ列島とは、種子島や屋久島の南にある島々で、有人島7つと無人島5つからなっています。

そこの真ん中にある悪石島で最大震度が観測されています

「悪石島」というと怖そうなイメージのある名前ですね。

人口約70人の小さな島で、フェリーでしか行けませんが宿泊施設もあります。

悪石島という名前には

大きな岩が崖から落ちそうだから

平家の落人が負ってから逃れるために近寄りがたい名前をつけた

といった由来があるそうです。

 

トカラ列島が大地震につながる可能性は?

トカラの法則は大地震の前触れ?

 

トカラの法則では、多くても40回ほどの群発地震の後に、大きな地震に見舞われていますよね。

ところが2021年4月9日23:00~4月14日7:00までに241回の群発地震が起こっています。

200回以上はまれであることから、今までよりさらに大きい地震が起こるのでは?といわれているのです

 

南海トラフ地震につながる可能性は?

トカラの法則は大地震の前触れ?

 

そもそも地震は「地震は地下で起きる岩盤の「ずれ」により発生する現象」といわれています。

南海トラフ地震とは、駿河湾から日向灘沖にかけて100年~150年間隔で繰り返し発生してきた大地震です。

古くは600年代の天武天皇の時代にも記録があります。

2051年までに南海トラフ地震が発生する確率は70~80%といわれています。

もし南海トラフ地震が発生し、被害が最大の場合は死者・行方不明者が32万3000人に上ると推定されているのです。

 

駿河湾から遠州灘、熊野灘、紀伊半島の南側の海域及び土佐湾を経て日向灘沖までのフィリピン海プレート及びユーラシアプレートが接する海底の溝状の地形を形成する区域を「南海トラフ」といいます。
     引用:気象庁HP

 

南海トラフ地震は、フィリピン海プレートがユーラシアプレートの下に沈み込むことで起こるとされています。

トカラ列島もユーラシアプレートの上にあり、プレート同士の摩擦でひずみが生じているのではないかと考えられます

フィリピン海プレートは約3000㎞の長さがあるのですが、地球上のプレートの中ではかなり小さい部類なのだとか。

このことからフィリピン海プレートが一体化していて、トカラ列島のひずみが南海トラフに影響しているとも考えられるのです。

このことから武蔵野学院大学の島村英紀特任教授は次のように言われています。

 

島村英紀特任教授

群発地震は南海トラフ地震の前兆の可能性もある

「ただすぐに南海トラフ地震が起きるわけではない」

 

トカラ列島の大きな地震や火山噴火の可能性は?

トカラの法則は大地震の前触れ?

 

南海トラフ地震の前兆ではないとしても、トカラ列島自体にさらに大きな地震ももたらす可能性についてみていきます。

トカラ列島には悪石島と子宝島の間に「トカラギャップ」といわれる特殊な海底の地形が存在します。

トカラギャップとは、東西に推進1000mを超えるくぼ地が伸びており、えぐれた形になっています。

それが地下深くまで同じような状態が続いていると考えると、横ずれ断層に影響が出てきます。

南北で地層が不連続な状態があって、横ずれの地震が起きやすくなる可能性があります

このことからトカラギャップが今回の地震に影響しているとも考えられますが、今後どうなるかはわからないそうです。

 

トカラ列島群発地震で噴火が起きる?

 

九州大学地震火山観測研究センターの清水洋特任教授によると「トカラ列島付近は活火山の島が南北に点在している地域」なのだそうです。

山口県から熊本・阿蘇山、鹿児島県・桜島、トカラ列島を通り、台湾までのラインとなります。

桜島は2021年3月27日には噴火が起こっていますが、トカラ列島の群発地震となんらかの関係があるかもしれません。

トカラ列島の海底深くでは、マグマや熱水がうごめいていると推測され、その圧力で地震が起きやすくなっていると考えられています。

ただ今回の震源と火山の場所は離れているため、噴火が起きる心配よりも地震の備えをする方がよさそうです。

 

トカラの法則だけではなく、世界に目を向けるとバヌアツの法則が存在します。

バヌアツ付近で地震が起きた後にも、日本で大地震が起きるという法則です。

実はトカラの法則とバヌアツの法則が重なったのが、2011年の東日本大震災。

東日本大震災では、バヌアツで地震が起こってから約1か月後の地震でした。

2021年3月5日にバヌアツでも地震が起こっており、トカラの法則も考えると2021年のゴールデンウィークくらいまで要注意かもしれません。

まずは、備えが大切ですね。

 

 

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